2002.07.05〜07   K2Couple NO.0068

白山 御前峰
はくさん ごぜんがみね (岐阜県・石川県)
2,702m

TUWV 8期 北条真人君 追悼登山
花の白山は君のふるさと 


 ■23:00 = 藤岡IC = 6:00金沢西IC = 7:55別当出合p(L1)12:10 - 12:20出合
 12:25 - 13:25中飯場(L2)13:45 - 14:30別当覗14:35 - 15:40甚之助避難
 小屋15:50 - 16:20南竜分岐16:25 - 17:00南竜山荘
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 南竜山荘7:10 - 7:20エコーライン分岐 - 8:20弥陀ヶ原分岐 - 8:40室堂9:00 -
 9:30高天原 - 9:40
御前峰10:05 - 10:30室堂(L)11:20 - 11:50黒ボコ岩分岐
 11:55 - 12:30殿ヶ池避難小屋12:40 - 13:50別当坂分岐13:55 - 15:05別当
 出合15:20 - 15:30別当出合p
15:35 = 16:00白峰温泉山和荘
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山和荘8:30 = 10:30満願寺11:45 = 鯖江IC = 小諸IC = 15:00佐久大雅17:00
 = 佐久IC = 藤岡IC = 18:20■
山荘 (¥7,300)  白峰温泉 山和荘(¥7,000) ▲ 御前峰より大汝峰 登頂前日 photo by Mr.Moon)


  日本人は大ていふるさとの山を持っている。山の大小遠近はあっても、ふるさとの守護神のような山を持っている。そしてその山を眺めながら育ち、成人し
  てふるさとを離れても、その山の姿は心に残っている。どんなに世相が変わっても、その山だけは昔のままで、あたたかく帰郷の人を迎えてくれる。 … 
  純白の冬の白山が春の更けるにつれて斑になり、その残雪があらかた消えるのは六月中旬になってからであった。そして秋の末から再び白くなり始める。
  最初は冬の先触れとして峰のあたりに僅かな雪をおく。それがだんだん拡がって十二月の中頃には、もう一点の染みもなく真白になってしまう。そしてそれ
  が翌年の春まで続くのであった。シベリアから日本海を渡ってくる寒い季節風が、白山という大障壁にぶつかって雪に化してしまうのである。


                                                                                                深田久弥 『日本百名山』 より抜粋


【参加者】  拓哉、おぎゃ、三日月、美恵子3、根岸、水上、守護、小笠原、幸英、相原2

富士山、立山と共に日本三名山に数えられる霊峰白山は、昨年4月に他界した北条真人君のふるさとの山である。

彼の足跡を偲んで、TUWV同期による追悼登山を行なうことになった。
最終日に鯖江市の満願寺に墓標を弔う予定。

 まとまりのないparty 

前夜発、上信越道経由、北陸道小矢部川SAで形ばかりの車中仮眠を取り、金沢西ICから別当出合に入ったのは8時頃だった。

守護君は下痢を抱えて既に待機しており、蒸し暑い陽射しの中で他のメンバーが来るまで三人で悶々と過ごす。

拓哉、小笠原、美恵子車の順に全員揃い、歓談の後、行動を開始したのは予定通り正午だった。

 別当出合登山口 

梅雨時の台風の影響で、砂防新道の樹林帯は気が狂いそうな暑さです。
身体中から汗がぼたぼたと流れる。
これも夏山の宿命。

工事用の広い道をゆるゆると歩きます。

中飯場で二回目の食事タイムとする。
ここにはトイレや石のベンチがあり、休憩にはもってこいだ。
これから先は山道になる。

断崖に懸かる不動滝が、僅かに目を涼しくします。

 中飯場でくつろぐ 

        サンカヨウ           コイワカガミ       ハクサンコザクラ         クロユリ           イワツメクサ
    マイヅルソウ      ヨツバシオガマ     イブキトラノオ      ハクサンフウロ    ミヤマダイモンジソウ

階段をつめて甚之助避難小屋まで登ると森林限界、吹き抜ける風も涼しい。

別山の稜線を望む南竜トラバース道のお花畑を、嬉々として写真を撮りながら宿泊地南竜山荘をめざします。
山荘には、別ルートから御前峰を越えて来る三日月君が待っている筈だ。

雨を覚悟の山行だっただけに今日の好天はありがたく、花の彼方に聳える別山の美しくも静かな佇まいを前に言葉はいらない。

 南竜トラバースにて 

受付を済ませる時間ももどかしく、缶ビールを調達します。
セーターを着込んで南竜ヶ馬場の澄んだ大自然に身を委ねつつ祝杯となった。

梅雨時の金曜は南竜山荘も貸しきり状態で、ゆったりしている。
水洗トイレもウォシュレット付きという超豪華版なのに驚いてしまいます。
山小屋も変わったと言うか、俗化の波が押し寄せる。    

 ミヤマカラマツとハクサンフウロと別山と 

 別山稜線と南竜ケ馬場、南竜山荘 

広い食堂で余裕の夕食。

食後は二段ベットの部屋に戻り、担いできたワインや日本酒で改めて再会を喜び合った。

明日の天気はどうだろうか。

 話が弾む楽しい夕食 


翌日、目を覚ますと南竜ヶ馬場はガスの冷気に包まれて静まり返っている。
まるで精霊が棲むところ。

小屋の前で記念撮影し、雨バージョンの装備で身を固め、エコーラインの急登に取り付きます。

 南竜山荘出発の時 

雪渓を渡り、弥陀ヶ原に登りつめると時折ガスが切れて、景色がぱあっと広がる。
そして、山が息をするようにガスを吹きかけてくる。
時折見せる山の高さと草原の広がりが、登頂意欲をかきたてます。

室堂に建つ改装オープンのビジターセンターはコンクリート造り。
ここにザックをデポして、空身で御前峰を目指します。
ビジターセンターの前には、クロユリやハクサンコザクラなどのお花畑が広がっている。

この先ガスが晴れることはなく、高度を上げるにつれて風が強くなった。
みずみずしい花の登山道。

 エコーラインの雪田 

 弥陀ケ原 ガスに一喜一憂        山頂の白山比盗_社奥宮にて 

御前峰山頂はガスと言うより小雨であり、強風に煽られる。
池を散りばめた火口跡を囲うように聳える剣ケ峰や大汝峰の絶景は、望むべくもなかった。
誰のせいでしょうか。
この時点で池巡りや雪上のトラバースを強行するのは時間的に無理と判断し、協議の結果潔く下山することにした。

白山神社奥宮に参拝した後、記念撮影して、北条君の墓前に供える山頂の石を二個ザックに入れた。

君の山にみんなで登ったぞ。

 ガスの御前峰頂上です 

さてここからは標高差1,500m 駆け下りるのだ。

室堂の裏の軒下で、賑やかにまた湿りがちに昼飯を食べる。
軒下はちょっとさえなかったね。

黒ボコ岩で砂防新道を分けて、観光新道に突入です。

 室堂を見下ろす(7/4) photo by M 

殿ケ池避難小屋で一息入れる。

馬のたてがみ、真砂坂と呼ばれる急なガレ場のお花畑で、多くの高山植物に迎えられ、その度に写真撮りまくり大会です。

雨は殆どあがりガスも切れてきたが、風は相変わらず強く、尾根上で吹きさらされる。
飛ばされないように身体を屈め、ふらつきながら、しかも休み休み下ってゆく。
ふらついているのは風のせいばかりじゃないぞ。
そろそろ足が棒になる頃だ。

 観光新道に突入です 
 花の登山道も風強し         近そで遠〜い別当出合 

    ニッコウキスゲ     ハクサンチドリ    ハクサンシャクナゲ     ヒメサユリ
    ミヤマダイコンソウ        キヌガサソウ         シナノキンバイ         イワギキョウ         ミヤマキンバイ

別当坂にかかる頃には膝が壊れかかったメンバーも出て、最後の難関を迎えます。
別当出合に着いた時には、下痢を押して今まで何とか頑張った守護君もボロボロになっていた。

出合から見上げる崖の斜面から、カモシカの子供がこちらをじっと見下ろす。

立派な休憩舎で15分程休みます。
駐車場に下り荷物をしまい込んで、今夜の宿、白峰温泉山和荘に移動開始するのは素早かった。

 名残惜しい白山 

山和荘では幸英が首を長くして待っており、貸切りの別館で祝杯をあげる。

幸英を筆頭におぎゃ、小笠原がそれぞれに白峰村文化散策に出かけたようだった。
悲しいかな、その他のメンバーには文化的な香りは微塵もなかった。
ぶらっと温泉街に出て、爺ちゃんのお土産に日本酒 「白山」 を買う。

風呂からあがってまたビールを飲み始める。
食事の時にはビールと日本酒、部屋に戻ってからウィスキー。
飲んでばっかり。

テーブルを囲んでいくら飲んでも、いくら話しても燃え尽きることはなかった。

 山和荘別館を丸ごと提供される 


  いよいよ今日は北条の墓参りだ。

  鯖江に行く途中のスーパーで墓前に供える花束を購入し、満願寺を訪問します。
  義理のお母さんに面会し、北条が住職になった経緯や亡くなるまでの日常の様子、家族のこと、亡くなった時の状況等を詳しく
  聞くことが出来た。  

  82才の高齢ながら毅然として、飾り気のない中にも丁重なお話ぶりには感銘を受けた。
  6年前に訪ねた時に、北条君が案内してくれたあの本堂に通される。
  残された肖像画と写真の前で焼香して、改めて彼の冥福を祈るばかりだった。

  親友が孤独な死を遂げ、しかもそれを半年間も知らずにいた事を悔いていたが、義母さんの話を聞くうちに心にかかったもや
  が、すっきりと取り払われたような気持になった。


境内の質素な墓に参拝し、酒とタバコと白山山頂から持ち帰った石をみんなの気持と共に供えます。
鯖江に来て良かった。
北条君が愛したであろう白山の大きさに触れることも出来たし。

義母さんにアイスクリームを振舞われ、そのままお寺で今回の追悼登山隊は解散となった。

 満願寺境内に墓参 

福井藤島高校時代山岳部にあり、白山をホームグランドとして山を愛し、心身を鍛え、青春を謳歌した。

TUWVでは東北の山と仲間を愛した。

TUWV卒業後は日立製作所に勤務、北陸計算センターに転出後独立してNABEXを起したが実らなかった。

再婚して満願寺の住職となる。
仏に仕える身に突然の病、不帰の大樹となる波乱万丈の人生だった。

送られてきた新婚旅行の写真は吾妻小富士でのものだった。
君が亡くなったことも知らずに、OB山行では奇しくも吾妻小富士に登った。

もう一度、君と一緒に山で過ごしたかったよ。

 真人法師肖像画 

  交通量の少ない北陸道を快調にとばし、挙句に新潟県警の覆面パトカーに追われる。
  33`オーバーで御用となってしまい、記念すべき3日間の最後は思いっきりへこんだ。


  
   この地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図を使用したものである

  地図表示白山の場所       

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